『ほどなく、お別れです。』VS『おくりびと』徹底比較・18年の時を超えて

あなたは今年、映画館で泣きましたか?

2026年2月6日に公開された映画『ほどなく、お別れです。』は、公開わずか6日間で興行収入10億円を突破し、2週間連続で週末観客動員ランキング1位を獲得。

SNS上では「泣きすぎてティッシュが足りなかった」との声があふれています。

そしてこの映画を語るとき、必ず比較されるのが2008年公開の名作『おくりびと』

同じ葬儀を舞台にしながら、なぜこれほど違う映画にしあがったのでしょうか?

 

映画『ほどなく、お別れです。』ポスター

引用元:X

 

この記事では、18年の時を超えた2つの傑作を5つの視点で徹底比較します。

どちらも観た方も、そうでない方も、最後まで読めばきっと映画館に足を運びたくなるのでは‥

そんな事を思いながら書いています。

 

ここが知りたい!2作品の基本情報

2作品の一覧

比べてみると、18年という歳月の重みと、それぞれのスケールの違いが見えてきます。

 

比較項目 おくりびと (2008年) ほどなく、お別れです。 (2026年)
監督 滝田洋二郎 三木孝浩
主演 本木雅弘・広末涼子 目黒蓮・浜辺美波
職業テーマ 納棺師 葬祭プランナー
構成スタイル 一本軸の成長物語 オムニバス形式(複数エピソード)
超常要素 なし(リアリズム) あり(主人公が死者の声が聴ける)
受賞・評価

第81回アカデミー賞外国語映画賞(日本映画初) キネマ旬報1位

2週連続動員ランキング1位
興行収入 64.8億円(ロングラン) 公開6日で10億円突破中
原作 映画オリジナル(脚本:小山薫堂) 長月天音(シリーズ4巻)

 

注目ポイント:『おくりびと』は公開当初こそTV宣伝が少なく注目されにくかったものの、アカデミー賞受賞後、ロングランヒットに化けた映画。一方『ほどなく、お別れです。』は公開初週から驚異的なスピードで記録更新し続けています。
 

ここが知りたい!どこが同じでどこが違う?

 

両作品とも、葬祭の世界に飛び込むという構図は共通していますが、入り口が全くことなります。

 

主人公の立ち位置の違い

🎥おくりびと

  • ぷろのチェロ奏者として生きてきた小林大悟(本木雅弘)が、楽団解散という挫折を経て、誤解から納棺師の職に就く。
  • 死に対して最初は強い嫌悪感・抵抗感を持ちながら、少しずつ尊厳と向き合っていく成長物語。

 

おくりびと

引用元:X

 

🎥ほどなく、お別れです。

  • 就活中の女子学生・清水美空(浜辺美波)は、亡くなった人の声が聴ける特殊な能力を秘めている。
  • その力を見抜いた葬祭プランナー・漆原(目黒蓮)にスカウトされ、葬儀の世界へ。
  • 死者との橋渡し役として最初から特別な存在を放つ。

 

『おくりびと』の主人公は、死に戸惑う家族の代理人として機能し、観客は彼と一緒に葬儀の世界を知っていきます。

対して、『ほどなく、お別れです。』の美空は、超常能力という特別な窓をと通して、私達には普段届かない死者の本音を届けてくれる存在です。

 

物語のメインテーマの違い

🎥「おくりびと」

  • 主人公・大悟(本木雅弘)自身の成長と再生がテーマ。
  • 幼いころに家族を捨てた父親との確執と和解という親子の物語が全篇を通じた感情の幹になっている。
  • 葬儀は主人公の生き方を変えるものとして描かれている。

 

🎥「ほどなく、お別れです。」

  • 主人公の成長よりも、故人の生きた証と遺族の明日にフォーカスが当たってる。
  • 漆原(目黒蓮)の誰よりも真摯に個人と家族に寄り添う姿勢が物語に軸。
  • 葬儀は残させた人が前を向くための儀式として機能する。

 

ほどなく、お別れです。納棺師 目黒蓮

引用元:X

 

もう少し嚙み砕くと、「おくりびと」送りての物語。

「ほどなく、お別れです。」残された人の物語といえるかもしれませんね。

 

物語の構成の違い

🎥「おくりびと」

  • 一本軸の成長ストーリー。
  • 主人公の感情曲線に沿って物語が進み、クライマックスで一気に感動が訪れる、王道の構成。

 

🎥「ほどなく、お別れです。」

  • オムニバス形式。
  • はじめからずっと、涙の切れ目がない異例の構成。

 

考察ポイント:『ほどなく、お別れです。』の変則的なオムニバス構成を本来ドラマ向き設計を一本の作品としたことで唯一無二の感動体験との評価。

 

死のとらえ方の違い

ここが両作品のもっとも重要な違いかもしれません。

 

🎥「おくりびと」 2008年の日本映画

  • 葬儀・納棺の仕事は、けがれとして忌避される職業という認識が社会に根強く残っていた時代の作品。
  • 映画はその偏見を納棺師の尊い仕事として問い直す。

 

🎥「ほどなく、お別れです。」 2026年の日本映画

  • 葬祭の仕事への社会的偏見はすでに薄れた世界が前提。
  • 『おくりびと』が、扉を開いた先に代わって行った時代。
  • 大切な最後の時間を故人と家族とが慈しむための優しい合図を交わす時。

 

「おくりびと」が葬儀という尊い仕事とといかけたとすれば、「ほどなく、お別れです。」は、最高の葬儀とは何かということを問いかけた作品。

18年の歳月が、進化の追跡をつげたのではないでしょうか。

 

所作・演技の違い 

両作品とも、俳優の所作の美しさが語り継がれています。

🎥「おくりびと」

本木雅弘が披露する納棺所作は、武道や伝統芸能にも通じる美しさ。

プロフェッショナルの技術を身体で表現したその動きは世界中の観客を魅了し、アカデミー賞受賞の一因にもなった。

 

🎥「ほどなく、お別れです。」

目黒蓮が演じた所作は、まるで折れるようと評された。

細い体の線がそう思える様な、しなやかな動作だったのでしょうね。

 

実は今作の所作指導は、『おくりびと』の所作指導された方のご子息が携わったという、感動的な繋がりがあったそうです。

 

 

『ほどなく、お別れです。』は、ポストおくりびととして生まれて?

 

『おくりびと』は、2008年に公開されたとき、多くの人がそうぎの仕事を初めて美しいと感じました。

納棺師という存在すら知らなかった人が多かった時代に、あの映画は社会のイメージを大きくかえました。

この『ほどなく、お別れです。』は対抗するというよりもは、ポスト『おくりびと』として撮られた作品なのではないでしょうか?

コロナウイルスに感染された方々が、家族に看取られることのないままお亡くなりになられるという、とても悲しく、無念な別れをさせられた。

あの時以来、故人と一緒に居られる最後の尊い時間の在り方が少し変わりつつある気がします。

この映画で改めて、故人の生きた証について機会になってくれるといいと思います。

 

 

どっちを先に観るべき?タイプ別おすすめ

 

「おくりびと」

  • アカデミー賞受賞作品として網羅したい映画好きの方におすすめ
  • 社会問題・職業差別の視点で現在と比較
  • クライマックスの盛り上がいに感動したい

 

「ほどなく、お別れです。」

  • 今まさに大切な方をなくされた方に
  • 沢山涙を流したい
  • 霊感・死者の声などの不思議な要素を楽しみたい
  • 様々な家族の絆・形・別れに触れたい

 

まとめ

 

18年もの時の流れで、人の最後がこんなにも変わってきています。

儀式のように行われてきた葬儀が、今では故人の希望・家族の思いなどさまざまのお見送りの形が増えてきました。

大切な人との短い貴重な尊い時間。

だからこそ、丁寧に見送ってほしい。

両作品も思いは同じです。

是非、大切な方と一緒に映画館に足を運んでほしいと思います。

 

目黒蓮・浜辺美波 『ほどなく、お別れです。』

引用元:X

 

👉関連記事:納棺師は必要?映画『ほどなく、お別れです。』から考える、3つの役割

👉関連記事:『ほどなく、お別れです。』で考える葬儀のかたち4選・今選ぶお葬式のかたち

 

 

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